現場の声活用委員会は、現場の生の声を収集し、看護現場が抱える課題解決に向けた政策策定への一旦を担う役割があります。今回は、島根県医療政策課看護師確保グループから糸原課長補佐、岡主任のお二人を招聘し、看護師確保策や特定行為研修修了者活用促進に向けた活動や課題など情報共有することができました。

  地域包括ケアシステム推進の要である特定行為研修修了者については、研修制度が創設され10年になろうとする今もなお、医師の認知度はまだまだ追いついていない現状が見えました。認知度アップに向けては、医師の働き方改革とあわせ、説明会を行うとのことで、委員会としては是非、研修修了者に発表などとあわせ医師との意見交換の場を作っていただくよう後押ししてほしい旨をお伝えしました。また、訪問看護ステーションの多くは小規模で、研修に出すこと自体が難しく、代替職員がいたとしても、簡単には即戦力になれない難しさがあります。研修修了者の増が急務であることを考えると、既存の仕組みである看護協会が行う訪問看護ステーションへの出向事業に、研修修了者をといった意見も出てきました。研修修了者の活躍は、スタッフの育成や看護ケアの質向上に確実に効果をもたらしている一方で、その勤務場所や研修修了者の人数の問題で活用が進んでなかったりもしています。研修修了者が、安心してモチベーション高く活躍できる環境が必要であることも共有しました。また看護師確保については、島根県は、県で比較すると看護師は多いとされていますが、地域偏在や、産休育休の代替職員確保困難、様々な雇用形態等により、夕方には看護師が部署にいなくなるといった実情もお伝えし、県からは就職につなげるための取り組みとして、病院ガイドブックの送付時期を早めたことや、SNSの効果についてお話いただきました。

  少子高齢化がすすむなかで、看護師への役割期待はますます高まると考えます。看護職を一生の職業として選択してもらうためには、現場の看護職が活き活きと誇りをもって働き続けられる環境づくりを、行政との情報共有や連携の中で継続することが重要と改めて感じました。貴重な機会をありがとうございました。

大﨑

現場の声活用委員会 
委員長 
大﨑恵子