2022年度の診療報酬改定では、看護補助体制加算がさらにアップし、働き方改革にも拍車がかかっています。今看護部にとって看護補助者は、タスクシフト・シェアの最も身近で信頼のおける存在になっています。
 当院は許可病床280床、ケアミックス型の地域の中核病院です。看護補助者は7月時点で、常勤換算49,2人、そのうち介護福祉士は約5割です。1994年の診療報酬改定を機に看護補助者を増員し、看護チームの一員として育成支援を行ってきました。主な内容は、日常生活支援に係る知識や技術の習得支援、介護福祉士資格の取得支援、正規職員での採用、看護補助者の育成やチーム活動を支える助手教育委員会の立ち上げなどがあります。なかでも、看護助手委員会は、年間の目標設定からチーム運営を行うリーダーを支える重要な役割を担っています。また技術評価や、日々の活動における相談役は、各部署の副師長が責任を持っています。看護補助者の活動は、看護チームの一員として認知され信頼され、看護補助者のやりがいにもつながっています。年間の活動成果は、全部署で報告する機会を作っていますが、冊子つくりから会の運営まで看護補助者が行っています。第1回の開催は平成17年でした。ベッドのペダルやストッパーなどベッド周囲の環境整備が始まりの活動でしたが、患者さんが使用する車いすや点滴スタンドなど備品の整備を週間業務とするなかで、「物品の先には患者さんがいる」と意識し、誇りを持って行えるようになりました。今年は18回目の報告会でしたが、認知症患者さんへの対応方法を学びケアに活かした活動や、看護師とともに褥瘡発生予防に取り組んで成果をあげた活動などが報告されました。固定チームナーシング研究会を立ち上げた先生方から「日本一の助手さん」と承認を受け、さらに自信と誇りをもって務めてもらっています。
 働き方改革によるタスクシフト・シェアは、業務移管による負担軽減だけではなく、移管、協同することで、患者さんにとって最大のメリットが生まれます。しかし、それだけではなく、中で働く人達が、仕事への誇りややりがいを持ち続けることが重要だと考えています。今後、更に看護師と看護補助者の協同をすすめるとともに、長く働き続けられるように、勤務環境や処遇改善に取り組んでいきたいと思います。

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大﨑

島根県済生会江津総合病院
看護部長
大﨑恵子