厚生労働省は2025年までに特定看護師*を10万人、島根県は100人を育成目標にしています。当院では2025年までに25人を目標とし計画を進めています。育成状況は修了者が6人、研修中が9人で特定行為区分は16区分に渡ります(11月末現在)。ユニット固定型配置では各勤務帯に1人以上配置することを目標としていますが、受講者を増やさなければ難しい現状があります。個人のキャリアニーズとの調整や診療部門との協力を更に進めていく必要性を感じています。また、特定認定看護師**を中心とした組織横断型配置では、認定活動日を利用した限られた活動であったり、コロナ禍で勤務者不足により勤務調整に難渋したりと、管理面での支援不足を痛感しています。しかし創傷管理関連等の活動が軌道に乗りつつあり、今後は病院からアウトリーチし在宅療養支援への貢献を目指して行きたいと思います。
 特定行為によって在宅医療ニーズは勿論ですが、当院が担う急性期医療においても医師が手術や外来診療等に集中でき、医療者の都合ではなく、少しでも患者の状態に合わせたタイムリーな対応が可能になると考えます。また特定看護師の実践によりケアの質が上がり、看護師への教育的介入によって更に看護の質が向上すると思います。タイムリーな実践による重症化予防や早期回復に貢献でき、説明力や対話力向上により、多職種協働によるチーム医療のキーパーソンの役割を担えるのではないかと考えます。先日「特定看護師・特定認定看護師の活動を知ろう!」と題して、実践報告会を開催しました。夕方1時間の研修でしたが約60名が参加しました。新人から管理者まで幅広い経験年数の参加があり、特定看護師への興味が深まったというアンケート結果でした。特定行為研修受講に前向きな回答もあり、今後の育成につなげていきたいと思います。また、初期キャリア看護師にとっては、新たなキャリアモデルの1つになったのではないかと思います。以上のように、課題も多いですが少しずつ前に進めています。現状をポジティブに捉えて、今後も未来志向で安全、着実に取り組み続けて行きたいと思います。

(  * 特定看護師:特定行為修了者 ・ ** 特定認定看護師:特定行為研修修了した認定看護師  )

ハート

松江赤十字病院
看護部長
加納さえ子