私たちは設立8年目、島根県雲南市で活動を行っています。開設当時、地域では「病院が遠い」「働き手がいない」など様々な課題がありました。私たちが地域に出来ること、したいことを話し合い生まれた訪問看護ステーションコミケアは、いつの時代もそこに暮らす人たちが幸せになるケアの形を考え続けること、その人の命の源となる、希望や人との繋がり、楽しみを持ち続けることが出来るケアの提供を大切にしています。

開設から8年が経ち、これからますます、偏在する医療介護資源を、1事業所だけで考えるのではなく、地域の需給バランスを考え組織を超えた協働を行うことが求められていると感じ、私たちが取り組み始めた他事業所との協働活動を2つ紹介します。

1つは、エリアを超えた経営・運営を学びあう機会づくりです。エリアが違うからこそ新しい視点があり学びを得る機会を多く作れるため、コミケアでは、全国のネットワークを広げる活動をはじめ、他のステーションさんとの合同経営会議を定期的に行う機会をつくりました。病院看護、施設看護、在宅看護など幅広い療養の場、生活の場での視点と実践、学びを深めるため、今後は地域内外での他事業所さんとの学習連携も進めていきたいと思います。

もう1つは、地域で「こんなことできたらいいな」を形にする取り組みです。例えば、相続やお墓のこと、幅広い相談に対応できる場所をつくろうと立ち上がった、うんなん就活支援センター。子ども達が学校以外でも集れる場所を作ろうと始まった地域・子ども食堂。これらの活動はコミケアも構成員の一つですが、他の事業所さんや住民さんが主体となり活動を行っています。こうしたきっかけから、体調の相談を聞いたり、障がいや病気を持った人でも一緒に参加出来る場所ができたりと地域の繋がりづくり、見守り、予防活動に繋がっています。

どれも1事業所だけでは出来ない取り組みですが、みんなの力が合わされば出来ることがたくさんあるのだと気付かされます。これからの10年20年を見据えて、フォーマルもインフォーマルも含めてどんなケアが街に溢れているといいか、私たちの地域の中でも、そして他のエリアの皆さんともみんなで考え実践し、進んでいきたいと思います。

代表取締役 中澤 ちひろ 

株式会社 Community Care
訪問看護ステーションコミケア
代表取締役 中澤 ちひろ