訪問看護ステーションは、地域の包括的な支援・サービス提供体制の構築が進められている中で多職種と協働し、地域住民の健康の維持・回復・生活や穏やかな人生の最終段階を支える役割を発揮しています。
訪問看護ステーションいずもでは、複数の医療機関・多職種と協働するための情報共有を効果的・効率的にするためにしまね医療情報ネットワーク「まめネット」を利用しています。
まめネットは医療機関・訪問看護・介護事業所を相互につなぐ医療情報ネットワークです。県内の訪問看護ステーションにおいてまめネット利用は、2020 年 3 月が 43 か所でしたが 2023 年 3 月には 69 か所となっています。
その中で連携カルテ・在宅情報共有サービスを 60 ~ 75%が利用しています。

連携カルテのサービスでは、外来受診時の病状説明・検査データーや処方薬内容を訪問前に情報収集することで、追加の看護計画を立てるなど病状を予測し根拠に基づいた看護・病状悪化予防につなげ質の高い看護提供が出来ています。
また一部の医療機関においては入院期間中の治療・処置・検査結果・経過記録の開示があり、退院時期の予測により勤務調整や新たな医療機器の導入時には訪問看護師が早期に技術習得することで、療養者にとって安全で安心した在宅療養への移行ができています。

在宅情報共有サービスでは、主治医を中心に多職種が訪問時の病状や生活状況を伝聞でなく同じ内容を正確にチーム間で情報共有しています。
訪問前には事前に利用者の最新情報を把握でき、状態予測し様々な備えをして訪問することが出来ています。
皮膚トラブル発生時等には画像で情報共有することで、より正確な情報伝達ができ医師より早期に指示がありリアルタイムに治療を開始するとともに介護サービス・理学療法士・栄養士・福祉用具のサービス調整が出来症状改善につながり、利用者の QOL 向上となっています。
まめネットの利用は、在宅を支えるチ ームの資質向上とともに在宅療養者にとって病状の安定、生活維持、QOL の向上に有効です。  

また情報共有のための FAX や電話での連絡調整の回数が減り、時間の短縮・業務の効率化が図れています。
近年、感染症や自然災害の被害が拡大傾向にあり、地域において連携強化を図り業務継続をするためにまめネットの利用の拡大を希望します。

島根県看護協会 訪問看護ステーションいずも 安田和子

島根県看護協会
訪問看護ステーションいずも
安田和子