「看護師等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針」が平成4年12月に制定され、31年ぶりとなる令和5年10月に改定された。看護師等を巡る状況が大きく変化したことや、少子高齢化の進行に伴って現役世代が急減する中で、看護ニーズの増大が見込まれており、看護師等の確保の推進が重要であることから改定された。

看護師の確保および離職防止は、どの職場でも継続して取り組む必要のある事項である。その中で処遇改善の一つとして、当院では夜勤手当が増額された。育児短時間制度を活用し、育児と仕事の両立が図れるよう配慮する一方で、夜勤を担う職員への手当の増額は夜勤者への配慮につながる。また、夜勤等の業務負担の軽減とICT化の積極的な推進として、バイタル自動入力機器を今年度導入する予定である。タスク・シフト/シェアの観点からは、臨床検査技師による静脈路の確保を進めている。事例としてはそう多くない件数だが、多職種協働で看護師等の就業環境の改善に取り組んでいる。

看護師の資質の向上の観点からは、リソースナースの育成を進めることが必要である。研修受講においては、受講期間中も給与補償など全面的にバックアップする体制があり、安心して学習できる環境を提供している。現在当院には特定行為研修修了者が在籍しておらず、その育成も進めていきたい。

その他看護師等の確保の促進に関する重要事項として、看護補助者が担っていく環境の整備があげられる。当院は介護福祉士資格を有する看護補助者が多く在籍しているが、その資格を活かした業務手順を整えていない。国家資格を有する職員としてのモチベーションアップのためにも、介護業務の積極的委譲に取り組む必要がある。

看護ニーズの増大に応えられるよう、今後も、就業環境の改善に向け様々な取り組みを継続していく。

           布野新新

                  出雲徳洲会病院
                  看護部長 布野 文代